2006年04月

2006年04月28日

遺言の執行

遺言の執行とは、遺言者が死亡し遺言の効力が生じたあと遺言の内容をそのとおり実行することです。
遺言書が発見されたとき、遺言執行者の指定がされていない場合には通常、相続人が遺言の内容を実行することになります。もしもトラブルが予想される場合は、遺言執行者を遺言で指定しておいたほうがよいと思います。

遺言執行者を指定する場合、相続人が複数いる場合には、相続人のうちの一人を遺言執行者に指定すると、相続人と遺言執行者の間で対立する場面が出でくる可能性がありますので、相続人のうちの一人を遺言執行者に指定するのは望ましくありません。公平な手続をすることができる第三者に依頼すると良いでしょう。

遺言執行者がいる場合は、相続人は勝手に相続の手続きを進めることができません。

2006年04月26日

相続人に行方不明の人がいるときは?3

相続の手続には、遺産分割協議や、限定承認、相続税の申告や納付など 相続人全員の同意が必要となることが原則です。家出などにより、どうしても相続人が見つからない場合には、このような手続を進めることができませんね。
いったいどうしたらよいのでしょうか?

この場合、家庭裁判所に不在者(行方不明の相続人)の財産管理人を選任してもらわなければなりません。これはその管理人が不在者に代わって不在者の財産に関る手続をするというものです。
しかし、いくら財産管理人が選任されても遺産の分配案に合意することはできません。
なぜなら不在者の財産管理人の職務はあくまでも不在者の財産管理で、遺産の分配案に合意するという行為は権限外のものだからです。
よって、遺産分割協議をする為には、更に家庭裁判所へ「財産管理人の権限外行為許可申立」の手続きを行わなければならないのです。

また、もし7年以上、行方不明者の生死が分からない場合には家庭裁判所に「失踪宣告」の審判の申立てをすることができます。申立てができる人は配偶者や利害関係者になります。家庭裁判所の審判で失踪宣告が確定すると、10日以内に失踪者の本籍地か、申立てをした人の住所地の市区町村区役所に「失踪届」を提出します。これが受理されると失踪者は法的に死亡したものとみなされるのです。

この手続は一人の人を死亡したとみなしてしまう重大なものですので、申立てができるのは限られております。

2006年04月21日

被相続人の出生から死亡までの戸籍調べ

誰が相続人なのかを証明するためには、故人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍を取得しなければなりません。いくら頭の中で誰が相続人か分かっていても、不動産や預貯金、車などの名義変更手続の際には必ず証明するための戸籍が必要となるのです。

たいていの場合は現在の戸籍、除籍、改正原戸籍を取り寄せることになります。
戸籍は原則、夫婦と子までの単位で構成され、子供が結婚すると親の戸籍から抜けて新しい戸籍が作られます。
除籍は、結婚や死亡などの理由で一つの戸籍に入っていた人全員が抜けた状態のものです。
また改正原戸籍とは、法令によって改正されると、それ以前の記載内容が省略されてしまうので改正前の戸籍を調べる必要が出てきます。これが改正原戸籍のことです。

 戸籍謄本(全部事項証明)等を取得するには、直接、役所に出向かなくても郵送でできます。しかし誰でも請求できるわけではありません。その戸籍に記載されている人以外の場合、委任状や関係を示す証明書が必要になります。
相続人が子供と配偶者の場合は簡単なのですが、子供がいない場合には第二順位である故人の両親が法定相続人となり、もし両親が先にお亡くなりになっている場合、兄弟姉妹が相続人となります。また兄弟姉妹のうち誰かが死亡していてその人に子供があれば、代襲相続となります。兄弟姉妹が相続人となると、故人の戸籍上兄弟であることを証明しなくではなりませんので、故人の両親が出生してから亡くなるまでの戸籍を取寄せる必要があり、戸籍の収集は更に大変な作業となるのです。

2006年04月19日

生命保険と相続3

生命保険金は、相続財産になるのでしょうか?

生命保険金は受取人を誰に指定しているのかによって、相続財産となるかどうかが決まります。
亡くなった方(被相続人)が保険料を負担し、受取人を特に指定していない場合、又は受取人を被相続人としていた場合は相続財産となります。
しかし、特定の人を受取人としていれば保険金はその人の固有財産となり相続の対象にはなりません。商法647条民法537条の「第3者のためにする契約」が成立しているからです。
例えば生命保険の受取人が子供Aだったとしますと、この保険金は子供Aの固有財産となります。もし、Aが相続放棄をしたとしても生命保険金は受け取れることになります。


一方、相続税法上では、保険金は相続財産とみられます。(みなし相続財産)
被相続人が保険料を負担していた場合は相続税が課税されるのです。
相続税の計算方法はその他一般的な相続財産と違い、受け取った生命保険金のうち法定相続人一人につき500万円までが非課税になっていて、残りの部分が相続財産に加算されます。

2006年04月10日

所得税の準確定申告4

故人が自営業や貸家業などの場合、その法定相続人は、亡くなった日から4ヶ月以内に故人の所得を計算し故人の住所地を管轄する税務署に所得税の申告及び納付をしなければなりません。これを準確定申告と言います。相続人が複数いる場合には原則、相続人全員が連名で1通の準確定申告書を提出します。

※相続放棄をした人がいる場合は、相続放棄をした人以外の相続人が準確定申告、納税を行うことになります。


亡くなった日の年の1月1日から死亡日までの所得を計算するのですが、1月1日から3月15日までの間に死亡した場合は前年の所得に対する確定申告もあわせて行います。

故人がサラリーマンでも、年収が2000万円以上あったり、給与所得や退職金以外の所得が20万円以上あったり、2ヶ所以上からの給与があったりすると準確定申告は必要となります。

※各相続人が負担した税額は相続財産から債務として控除されます。


2006年04月06日

基礎控除って何?3

相続が発生したら相続税が必ず課税されると思って悩んでいらっしゃる方は結構いますが、実は相続税が課税される人は他界者全体の5パーセント程度なのです。
なぜかと申しますと、相続税を計算する場合には、課税される財産の価格から、基礎控除額が差し引かれるからです。

基礎控除の額の計算方法は
 5千万円+(一千万円×法定相続人の人数)となります。

例えば相続人が配偶者と子供2人の場合の基礎控除額は5千万円+3千万円=8千万円となります。つまり課税価格の合計が8千万円以下であれば、相続税はゼロとなるのです。

この計算でいくと法定相続人の人数が多ければ多いほど基礎控除額も増えることになりますね。
※法定相続人の数の中には、相続放棄した人も含まれます。


また、養子も相続人になりますが、相続税の逃れ目的で養子を増やすことを防ぐ為に、基礎控除に算入できる養子の人数は実子がある場合は1人、実子がない場合には2人までと制限されています。
※これは相続税計算上のみの制限です。また特別養子縁組にはこのような制限は適用されませんので、実子と同じように無制限で算入できます。

2006年04月03日

相続税のこと3

「相続税は、相続が発生したときには必ず課税されるもの」と思われている方が多いようですが、でもこれは間違いです。相続税には基礎控除というものがあり、相続財産の総額がこの基礎控除よりも少なければ相続税は課税されないのです。

基礎控除については次回にご説明致しますね。
本日はまず、相続税の申告の決まりごとについて・・・

まず、相続税の申告、納付の期限は、被相続人の死亡日(あるいは相続を知った日)の翌日から10ヶ月以内と決まっています。期限が過ぎないうちに速やかに提出しなければなりません。
※申告期限を過ぎてから申告した場合は税額の5%の無申告加算税がかかります。また、申告期限後に税務調査で指摘された場合は税額の15%の無申告加算税がかかります。
そしていずれも、申告期限の翌日からは延滞税も課せられてしまうのです。

申告、納付は被相続人が亡くなったときの住所地の管轄税務署となります。
相続税の納付が必要と判断された人のところには税務署から申告用の用紙や申告のやり方の手引きなどの一式が送られてきます。しかし、送られてこない人も申告の必要がないとは限らないので、税務署に確認をしましょう。